『笑いを売った少年』の書評1

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コ ー ド
ISBN4-89642-097-7
書  名
笑いを売った少年
著  者
ジェイムス・クリュス 著 / 森川弘子 訳・解説
書  評
タイトル
(書評タイトルなし)
評  者
加藤綾子
東京都立戸山高校2年
掲載誌紙
「MORGEN」
2004年5月1日(土曜日)
少年はとても素晴らしく、誰からも好かれる笑いを持っていました。しかし、自分のものであるためにそのことがわからなかったのです。
少年の笑いは、心からの笑いです。そんな無垢な笑いは、わたしたちの誰もがきっと持っているはずです。
失ってみてはじめてわかる笑いの素晴らしさ――自分の幸せや楽しさで、まわりの人まで明るくしてしまうこと。そして、自分の苦痛までも吹きとばしてしまう力――それは、お金よりも有名になることよりも、幸せに不可欠なものでした。
何かに苦しんでいる人や忙しい人は、心が重くなり笑いを忘れてしまっているかもしれません。けれどそんな時でも笑うことができなくなったわけではありません。
まだ笑うことのできるわたしたちは、近くにありすぎて気づかないだけで、ほんとうは大きな幸せを持っているのかもしれません。


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