【町田まり子さんのコラボレーション】
人形劇 ボクたちネコのお人形のコンビ


【第2回上演】


「あっ、それからこんな詩も」
「夜の草原に霧が……
  …………
  …………
カワメンタイの上を素通りする……」
「お茶をいれましょうか?」と、ボクは言った。。

カワカマス君は、大事そうにサモワールをかかえて、ゆっくり夜の草原を下っていった。ときどき月の光がサモワールに反射して、その位置を教えてくれた。

その草地のまん中に、ボクのサモワールが光っていた。
 
空はすっかり晴れ上がり、陽光は思いっ切り、ボクとサモワールに降りそそいでいた 。

いつのまにか三カ月がたっていた。
 
ボクは毛布にくるまりながら、秋のうちに集めておいた小枝を少しずつ燃やして、冬の日々を過ごしていた。

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未知谷 ヤンの世界